2024.06.25
2022.03.01
2020.08.29
スケートボードで世界一を目指し日々努力を重ねる、池田大亮選手。スケートボードを始めたのは、なんとスノーボードの練習のためだったという。「3歳のころ、スノーボードの選手だった父親と夏場のイメージトレーニングとして始めたのがきっかけです。
当時は今のような練習施設は全くなく、公園で練習をしていました」。14歳でアマチュア世界大会での優勝を飾ると、破竹の勢いで数々の名だたる大会に優勝、一躍その名を世界にとどろかせた。
池田選手は「ストリート」でのオリンピック出場が期待されている。スケートボード競技には「ストリート」と「パーク」の2種目があり、「ストリート」は、階段や手すり、縁石、壁や坂道などを模した直線的なセクション(構造物)を配したコースで行われ、トリックの難易度や高さ、スピード、オリジナリティなどが総合的に判断される。そのダイナミックなパフォーマンスは圧巻だ。
「正直、一度ミスをすると立て直すのは結構難しいんです。ミスを減らすためには、とにかく練習をしてメイク(成功)率を高めること。自信を持った状態で本番に挑むことが大切だと思っています。
でも、海外の試合にも出ているので、どんなに練習しても当日のコンディションによって失敗することはあります。なので、メンタルを鍛えることも重要です。あきらめないで何度もチャレンジする精神力。それがスケートボードを始めて培った、力だと思っています」。
「スケートボードって、ちょっとマイナスなイメージを持っている人も多いと思うんです。でもそれがオリンピックの正式種目になった時は、本当に嬉しかったです。もし自分が出場できるとしたら『金メダル』を取りたいですね」。
ごく少数のマナーの悪いスケーターがメディアで取り上げられ、マイナスイメージにつながっていることを懸念する。ただ最近では、ニュース番組でも好意的に取り上げられ、そのイメージは払拭されつつある。池田選手の世界での活躍もその一因を担っている。
「スケートボードをやっていてよかったと思うことは、何度も失敗を重ねながらも練習し続け、新しいトリックができたとき。そして、大会で勝つこと。だってこれまでの練習が報われる気がするじゃないですか」。
また、「パークで仲間とともに切磋琢磨しながらスキルをあげていけるのは楽しいです。ライバルというより仲間なんですよね。みんなの技の成功や結果が出た時は、自分の事のように嬉しくて」とも。
最近ではなかなか家族や仲間との時間もとれないそうだが、「家族にも本当に感謝しています。海外の大会に出場しているときは、深夜でも起きていて応援してくれるんです。いつも僕の支えになってくれています」。
19歳の池田選手にとって、家族や仲間は何ものにも代えがたい存在になっている。
スポーツが教えてくれるのは技だけじゃない。人に対する感謝の気持ちや、やる気、情緒の安定にもつながっているのだ。
最後に、未来の自分にかける言葉を聞いたところ、「もっと楽しんでスケボーしよう!」と。きっと、うまくいかない悔しさやプレッシャーもあるのだろう。ただ本当にスケートボードが好きだからこそ、楽しむことを忘れない。
今後は、本場アメリカに移住してプロ活動も視野に入れていると、夢を語ってくれた。
池田大亮 DAISUKE IKEDA
ムラサキスポーツ・クリスタルガイザー所属。2000年8月生まれ、東京都大田区出身。15年に14歳以下世界選手権で優勝し、16年にはAJSAの大会でグランドチャンピオン、18年「TampaAm」優勝、19年「JAPAN STREET CONTEST」優勝など、国内外で好成績を残す。ワールドスケートジャパン強化指定選手に選出される。
写真提供/ムラサキスポーツ
FQ Kids VOL.02(2020年春号)より転載
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