2021.07.16
2021.12.03
2022.04.04
「平成ウルトラマンシリーズ第2弾」として知られる『ウルトラマンダイナ』が、テレビ放送25周年を記念し、オンライン配信されることになった。
同作品の主人公アスカ・シン役を務めたつるの剛士さんは、今や5人の子供を持つ父親であり、自身の芸能活動や釣りをはじめとするSNS活動でも話題に事欠かない。
「僕にとって『ダイナ』はドキュメンタリーみたいな作品。『ダイナ』の1年間は、アスカ・シンと僕の成長期でしたね」。
本格的な芸能活動をスタートさせたばかりのつるのさんにとって、芝居の仕方から芸能界でのあり方まで、『ダイナ』から学んだことがその後にすべて生かされたという。まさに、「大切なことはすべて『ダイナ』に教わった」のだとか。
前作『ウルトラマンティガ』のシリアスな作風に比べ、『ウルトラマンダイナ』は、明るい雰囲気や、防衛チーム「スーパーGUTS」の隊員同士の和気あいあいとしたやり取りが印象的な作品だ。なかでもつるの剛士さん扮するアスカ・シンは、陽気で前向きなキャラが光る。
©円谷プロ
当時、ウルトラマンのオーディションだと知らされずに出向いたつるのさんは、「初めて台本を読んだ時、これはそのまま僕自身だなと思いました。キャラクターはもちろん、話し口調も僕そのものと感じました」と、等身大の自分で挑戦。持ち前の明るさとそのままのキャラクターで、主役のアスカ・シン役を勝ち取った。
学生時代は音楽好きの文科系、スポーツ全般が苦手だったというつるのさんは、特撮作品に必須の走る、ジャンプするといったアクションではNGを連発。「もっとかっこよく走って!」と言われることもあった。
また極度の高所恐怖症だったこともあり、大阪城での撮影シーンでは、命綱のロープをつけてもらい、「おさえているから信頼して」と、スタッフとの厚い信頼関係の下、撮影が進められたとか。「それでもへっぴり腰だった(笑)。でもスタッフがうまく編集してくれていましたね」。
「それまでのヒーロー像をいい意味で壊したのがアスカ。ずっと雲の上にいたヒーローを、身近な存在に変えたのが『ウルトラマンダイナ』だと思っています」とつるのさん。
「アスカはどこにでもいるような青年。だからこそ、子供たちから絶大な支持を得たんだと思います。当時、子供がみんな僕と同じ髪型をしていたんですよ」とつるのさんは笑うが、子供たちにとって、破天荒で怖いもの知らずのアスカ・シンこそ、等身大に感じられる憧れのヒーローだったに違いない。
「『ウルトラマンダイナ』は本当にいい作品。明るく、見た人が元気になる。シリアスな話とコミカルなエピソードのバランスもよく、大人も子供も楽しめると思います。当時の僕自身がそのままで出演しているので、ぜひ親子で見てほしいですね」。
『ウルトラマンダイナ』が放送されてから今回のオンライン配信まで、25年の時間が経過した。
「25年って長いですよね。今から25年後には、長男が今の僕と同じぐらいの歳になっていると考えると、25年ってすごい感慨深いものがありますね。現在は子供たちに囲まれた暮らしを楽しんでいるけど、25年後には孫、もしかしたらひ孫にまで囲まれてさらににぎやかになっているかもしれない。そう考えると楽しいね。もっと楽しく暮らしているように、今から頑張っていきます」と、つるのさんはアスカを思わせるポジティブさで未来を語る。
「子供たちには自分の夢をかなえていてほしい。25年後には自主的にしっかり社会を回す一助になっていてほしいなって思います。僕自身も何か新しいことを始めていると思う。70歳で隠居ってことはないもんね(笑)」と自身の未来像についても前向きだ。
「イクメン」で知られ、子育て関連の発言も増えたつるのさんは、実はこの春短大を卒業して幼稚園教諭の免許を取得したばかり。「もしかしたら25年後、大学院に行っているかもね?」と、尽きることのないチャレンジ精神を見せる。
つるのさんにとってヒーローとは? という問いには「捨てるものがない人」と答えを返す。「すごいなぁと憧れます」と語るが、家族を背負ったつるのさんは、地に足をつけたヒーローとしてこの25年間着実にキャリアを積み重ねてきた。「『ウルトラマンダイナ』は僕にとって本当に大切で、大好きな作品」と語るつるのさん。
25年後は、どんな新しいヒーロー像を見せてくれるのだろうか。
「TSUBURAYA IMAGINATION」で現在独占配信中!
平成ウルトラマンシリーズ第2弾、前作『ウルトラマンティガ』の世界観を受け継いだ名作『ウルトラマンダイナ』が、テレビ放送25周年を記念し、「TSUBURAYA IMAGINATION」にてオンライン独占配信中。
つるの剛士
TAKESHI TSURUNO
1975 年生まれ。福岡県出身。『ウルトラマンダイナ』のアスカ隊員を熱演後、2008年に「羞恥心」を結成してリーダーとして活躍。カバーアルバム「つるのうた」でオリコン1位を記録。釣り、将棋、サーフィン、バイクなど多趣味でも知られる。
写真:渡邊眞明
文:藤城明子
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