2022.11.12
2020.05.08
2022.03.23
>>関連記事【子育てに関わる住まいの困りごとは? 教育のプロに聞く「非認知能力を伸ばす」環境づくり】
子供と親の程よい距離感をキープするリビングスペース
リビングはコミュニケーションが取りやすくなるギミックが大切。例えばリビングにランドセルの収納場を作れば、帰宅時にランドセルを片づけながら会話が生まれるはず。リビングから程よい距離感を保つキッズスペースをつくるのも有効だ。
家族のコミュニケーションツールとして、リビングにブランコを設置。さらにキッズスペースを併設した例。
隣室をリフォームで連続させて、キッズスペースに。子供に片づけも任せれば自主性も育つ!
リビングの一角を間仕切りしたり、子供が自由にこもれるようなちょっとしたスペースを作るのもおすすめ。子供はすぐに成長するので、3年後、5年後の成長に合わせてフレキシブルに対応できる住まいにしよう。
帰宅後の子供が通る廊下に内窓を設け、気配が感じられるリビングに。少し目線が合うぐらいが程よい距離感。
子供の気配が感じられる内窓は、リフォームで後から設置することも可能。リモートワークの時も、子供の気配を感じながら仕事ができる。ランドセルコーナーをリビングに作るだけでも、自然に顔を合わせるので会話が増える。
リビングで過ごす子供の様子を見ながら家事ができる対面式キッチン。吊戸棚は外してオープンな空間に。
リビングは家族のスペースなので、共有しやすい環境をつくるのが大切。低学年の子供は親に質問をしながらリビングやダイニングで宿題をするケースも多いので、お互いに声をかけやすく、気配が感じられるような空間を作ろう。
子供部屋はコンパクトなスペースでOK!
子供部屋を考える時、勉強スペースや遊ぶ空間、寝る場所、収納庫など、たくさんの要素を詰め込みがち。だが収納は家族共有にして遊び場はリビングに設けるなど他の部屋に要素をバラし、本当に必要な物だけを詰め込めば、子供部屋はもっとコンパクトになるはずだ。
必要な要素だけ詰めたコンパクトな子供部屋。ベッドは2室で互い違いになっている。
個室の用意は、小学校の高学年からでOK。その際、どんな部屋がほしいのか、どんな環境なら集中できるのか、本人にしっかりヒアリングを。「家族の視線がある方が集中できる」というケースなら、勉強スペースはリビングで充分!
ロフトスペースを子供部屋に。間仕切りが一切ないので、家族からの声掛けも気軽にできる。
個室のスペースを取ることが難しいなら、廊下の端や2階ホールなどにこもりスペースを作ってあげて。勉強スペースはリビングで、本棚は廊下、衣類は家族共有のクローゼットに収納など、他スペースにうまく配分を。
子供の「やりたい」が育つフリースペース
片付けも子供にお任せのプレイスペースや、親子共有の書棚&寝転んで読書できるコーナーなど、子供が自由に過ごせるフリースペースを作ってあげると、子供がリラックスして過ごせるうえ、「やりたい」気持ちもぐんぐんと育つはず!
リビングの一角を間仕切りして、カウンターデスクを配置。
床を気軽に張り替え可能なベニヤ張りにして、お絵描き自由の空間に。今ある床に板を乗せるだけでもOK!
階段を上がった2階のホールに、家族共有の書棚を配置。いつでもアクセスできる環境に。
例えばリビングの一角を間仕切りしてあげたり、床の素材を一部変えてキッズコーナーを作ったりと、工夫次第で快適なスペースに。居心地よく感じられる場所を、最小限のスペースで実現する発想が大切!
これから新築やリフォームを考えているなら、ぜひ作業に子供を参加させてあげて。壁を塗ったり、釘を打ったりする作業が、楽しい思い出として生きるはず。完成後をイメージしながらつくる作業は、非認知能力育成にも効果あり!
教育のプロ
中山芳一さん
岡山大学全学教育・学生支援機構准教授。専門は教育方法学。大学生のキャリア教育に取り組むと共に、各世代の子供が非認知能力やメタ能力を伸ばすことができるように尽力。著書多数。
住まいのプロ
荒木伸哉さん
kopro/HandiHouse project所属。建築系大学を卒業後、大手総合建設会社にて、施工業務、現場管理業務などを経験。2011年HandiHouse projectを創業し、多くの家族と「ともにつくる」家づくりを実践している。
須藤直記さん
kopro/HandiHouse project所属。大学で教育学を学んだ後、民間教育機関を経て、小中学校教員としてPBL授業を多数行う。大学で建築を学び直し、2018年よりHandiHouse projectに参画。二級建築士。
文:藤城 明子
写真提供:HandiHouse project
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