2021.12.25
2021.04.06
2022.04.19
社会が大きく変わろうとしている今、人々の職業観も変化しつつある。近年では「ブルシット・ジョブ」なる言葉が注目されている。コロナ禍では「エッセンシャルワーカー」が脚光を浴びた。どちらの語にも、どのような仕事に価値があるのかという問いが含まれている。
パパママとしては、わが子が将来何に価値を置いて、どんな職業を選ぶかは大きな関心事だ。親として、子供にとって一番の理解者でありたいもの。しかし、親だからこそ、わが子の幸せを思うがゆえに手放しでは夢を応援できないこともある。
ARINA株式会社が運営する、通信教育を比較レビューするメディア「おうち教材の森(naki-blog.com/study)」は、全国の中学生以下の子供を持つパパママを対象に「子供に就いてほしくない職業は?」のアンケート調査を実施した。
“就いてほしくない職業”1位は「YouTuber」。昨今は子供たちの将来の夢としても人気だと言われるが、親としては最もしてほしくない仕事に。理由としてはこんな意見が寄せられた。
●私生活をさらしてまで生計を立てるのは親としては反対。
●成功しないと思うから。
●批判なコメントがたくさんあり傷つくから。
●将来性がないから。
●収入が安定しないから。
2位は「芸能人」。パパママも子供時代、歌手や俳優に憧れたことがあったかもしれない。お笑い芸人を目指す若者も少なくないが、パパママたちからはこんな意見が。
●闇がすごそう。
●人気の寿命が短そうだから。
●なかなか見えない仕事なので、理解してあげられなさそう。
●いろいろな黒い世界がありそうだから。
●一部の突出した才能のある人でないと報われないイメージがある。
●流行り廃りのある職業だから。安定しない。
3位は「自衛隊員」。災害時には人命を守る大切な任務も負うが、わが子の選択となると……?
●戦争をしてほしくないから。
●いつ戦争に駆り出されるかわからず不安だから。
●危ないから。
●子供が戦争に行くのは考えたくないから。
●自由じゃなさそうなので。
4位は「政治家」。「センセイ」と呼ばれていろいろな意味で注目され、また人目を引くことに意義がある職業だ。
●異様な世界なのでやめておいた方が良い。
●イメージではあるが、給与は良いが安定していないイメージ。また、嫌われることの多い職業であるため。
●とても大変そう。
●敵が多そうだから。
5位は「介護士」。高齢化が進み、ますます必要とされいてる職業なのだが……。
●大変そう。
●大変な仕事なのに給料が低いから。
6位は「医師」。コロナ禍で医療従事者には多くの賛辞と感謝の念が寄せられた。一方でその過酷な働き方も近年は明らかになってきている。
●責任とストレスで胃がもたないと思う。
●精神的にも体力的にも大変そうなため。
7位は「看護師」。やはり医療従事者だ。献身が求められ、実際に現場では多くの人がその仕事に救われているのだが。
●実習では担当ナースの方が厳しいから。
●実習中の睡眠時間はほぼ確保できないし、就職後もハードで、辞める人も多いから。
子供にはできるだけ苦労してほしくないという親心が今回の調査で見えてきた。政治家や医師といったいわゆるエリートとされる職業であっても、それにともなう競争や責任などのハードさを思うと、わが子には避けてほしいのだ。
YouTuberや芸能人の不人気からは、安定した職業についてほしいという願いが感じられる。介護士や看護師の仕事が大切なものであることはパパママたちも十分理解しているはず。それでもわが子がその職に就くとなると、賛成しかねる気持ちがあるのだ。
親子ともに仕事をイメージで判断するのではなく、相互の信頼感を育みながら話してみる必要がありそうだ。
ARINA株式会社
HP:arinna.co.jp
「おうち教材の森」
HP:naki-blog.com/study/category/preschool-education
〈調査概要〉
「子供に就いてほしくない職業は?」
・調査方法:インターネット調査
・調査人数:200人(10代 4人、20代 41人、30代 86人、40代 46人、50代 17人、60代以上 6人)
・調査主体:ARINA株式会社、おうち教材の森
・調査時期:2022年3月2日~3日
・調査レポート:naki-blog.com/study/survey-report-33
文:平井達也
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