2022.10.23
2021.04.04
2022.03.06
東京から車で約1時間。木更津の丘陵地帯に、自然体験型農場「KURKKU FIELDS」がある。
敷地内には「マザーポンド」と呼ばれる池、房総半島に自生する樹木を植えた「野生の森」、ハーブなどが栽培されている「エディブルガーデン」、カエルやメダカが暮らす「ビオトープ」などが散在。大人も子供も思い切り自然を満喫できる。
早春の休日、ここを訪れたのは読者の出本(いずもと)さんファミリー。
出本さんファミリー:出本飛貴パパ、梓紗ママ、咲稀ちゃん(8歳)、隼悟くん(5歳)、紗梛ちゃん(2歳)
「末っ子がまだ小さいので、休日は近所の公園で遊ぶくらい。家族で海、山などに出かけたことはありません」。
「電信柱もなければ、車も走らない、穏やかな自然。癒されますね!」と、笑顔の飛貴パパ。一方、梓紗ママは「ふだん公園で遊ぶときは、ボールやオモチャを持っていくのに、今回は手ぶら。ここには遊具も何もないけれど、飽きてしまわないか心配……」と不安顔。子供たちはといえば、野山や森、池など、今まで見たこともない光景に戸惑いながらも興味津々、今にも走り出しそうな様子。さて、出本さんファミリーは、ここでどんな自然体験をするのだろう。
農・食・アート・エネルギーを軸に、サステナブルな“循環型社会”を実現させた複合施設。約9万坪もの広大な農場に、有機野菜の農場、平飼いの養鶏場、牛や山羊の放牧場などが広がり、自然散策や農作業を楽しむことができる。
アウトドア経験があまりない出本さんファミリー。今回はどんな自然体験をしたのだろうか? 出本さんファミリーの1日を追いながら、KURKKU FIELDS内のスポットを紹介する。
初めて見る木や葉っぱ、澄んだ空気に包まれる「野生の森」
竹林や杉を伐採し、在来種の樹木を植えた「野生の森」へ。
前日の雨の影響もあり、舗装のない道は見事にぬかるんでいた。靴にドロをいっぱいつけて歩くのも、都会ではなかなかできない、子供にとっては楽しい経験だ。
運営事務局の新井洸真(こま)さんに樹木や草花の名前や説明を聞きながら歩く。
タラの芽を発見。「枝にトゲトゲがついているのは、鹿などに食べられないようにするため」と新井さん。「へえ!」と触ってみる咲稀ちゃん。
英語で“食べられる庭”という意味
「エディブルガーデン」
「エディブルガーデン」では、野菜や食用ハーブ、花などを栽培している。畑に入って、土や作物にふれ、自然を実感することができる。ここで採れた野菜は、敷地内のベーカリーでも提供されている。
姉妹で花を触りながら「きれいだね」。
新井さんの手に乗った小さなミミズに興味津々の紗梛ちゃん。幼ければ幼いほど、虫に恐怖心を抱かず、むしろ好奇心の対象となる。
カエルやドジョウなど、貴重な生物が住む「ビオトープ」
場内を流れる小川に、多種多様な生き物が生息している。「KURKKU FIELDS」内にはチーズ工場、ダイニング、ベーカリー、宿泊施設などがある。それらから出る排水をバクテリアや植物、微生物の力を借りて浄化し、「マザーポンド」と「ビオトープ」に循環させている。都会では目にすることのない生態系に触れられる。
「ビオトープ」では、子供も大人も夢中に。「中に何がいるのかな?」と、のぞき込んでみる。
池の中に泳ぐオタマジャクシ。小さな生き物の営みを間近に見ることができる。
「子供たちの生き生きとした姿が見られてよかった!」。
拾った葉っぱや木の枝を並べて。アートが生まれる瞬間!?
「ふだんの生活の中では、靴が汚れるから水たまりに入らないでとか、汚いから虫に触らないで、などと言ってしまいがちでした。でも、ここにいると、そんな注意も忘れてしまう。自然の中にいると、大人もおおらかな気持ちになれるんですね」(梓紗ママ)
キンカンを見つけて匂いをかぐ紗梛ちゃん。
「3人きょうだいでも、性別や年齢が違うのでバラバラに遊ぶことが多かった。でも、遊具も何もない自然の中では、一緒に遊べるんですね。これからももっと自然の中に連れ出したい! 今度、弟の家族と一緒にキャンプに行ってみようかなと思っています」(飛貴パパ)
「KURKKU FIELDS」には、自然体験以外の施設も充実しているから、1日たっぷり楽しめる。
KURKKU FIELDSの朝と夜を体験したいなら「タイニーハウスビレッジ」
古材やアンティークを再利用した小さな居住空間は、遊び心やデザインにこだわり、まるで隠れ家のような雰囲気を味わえる。別棟のセンターハウスには、シャワールームやリビングルームが備えられ、家族でゆっくり過ごせる。
[KURKKU FIELDS TINY HOUSE VILLAGE]
宿泊料金:1棟¥27,500(定員3名)~¥38,500(定員5人)予定
※税込、食事別(料金は季節などにより変動あり)
牛乳本来の味が楽しめる
ミルクスタンド
ファーム内にある酪農場で飼育しているブラウンスイス牛の搾りたてミルクが味わえる。同じ牛乳を使ったモッツァレラチーズをふんだんにのせた、薪窯焼きのピザはパーク内ダイニングの人気メニュー。
パークでとれる素材で焼き上げる
ベーカリー
施設内の畑でとれた小麦、井戸からくみ上げた天然水、チーズ工場から出るホエーを活かした自家製酵母を使って焼き上げたパンを販売。パークで手作りする粗びきソーセージをはさんだホットドッグも人気。
自然と融合した名作に触れる
アート
写真/草間彌生 新たなる空間への道標
2016年 鋳造アルミニウム、塗料、サイズ可変・11点組
Courtesy of Ota Fine Arts ©Yayoi Kusama
敷地内のあちこちに、草間彌生をはじめ、世界中の作家たちのアート作品が展示されている。広大な敷地の中にオブジェとして置かれているものも多く、子供たちも間近で本物の芸術に触れることができる。
KURKKU FIELDS
千葉県木更津市矢那2503
TEL:0438-53-8776
営業時間:10~17時
定休日:火曜、水曜(祝日は営業、その他臨時休業あり)
入場料:無料 (オープン価格)
文:馬場千枝
編集:株式会社こんぺいとうぷらねっと
写真:内田大介
編集部のオススメ記事
連載記事
#今話題のタグ