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「自己肯定感が育つことで、自分の能力感が上がります。自分ならできるかも、とあらゆることへチャレンジする力に繋がっていく。そうした前向きな力が学びへの意欲を高めていきます」。
そうした自己肯定感を伸ばすべく、褒める教育の大切さが広く知られているが、「いいところばかりを褒めても自己肯定感は育たない」と増田先生は話す。
「笑顔、元気、真面目といった子供のポジティブな面だけを大人は褒めてしまいがち。でも、不安、怒り、恐れ、悲しみというネガティブな感情も人間本来の感情ですし、心の成長にも欠かせません。
例えば、癇癪を起こしたら、『今怒っているんだね、わかるよ』と言ってから、時間を置いて理由をちゃんと聞いてあげること。ポジティブな感情もネガティブな感情も両方認めてあげて、丸ごとのあなたが好き、と言ってあげることで自己肯定感は育ちます」。
自己肯定感
どうやって伸ばす?
ネガティブな感情に寄り添い、
大事にしてあげること
子供を褒めたつもりでも、逆に自己肯定感を低めてしまっている場合も。「小学1年生の図工で誰かを褒めたら、パニックになった子がいた。ダブルバインドといって、他の子を褒めることは、他の子を貶めていることになることもあります」。
こうした状況に陥らないためにも、子供のネガティブな感情を普段から認めることが大切。「心の中の深い感情を言語化することが大切。そして受け止めてあげることです」。
増田修治先生
白梅学園大学子ども学部子ども学科教授。1958年生まれ。埼玉大学教育学部卒。小学校教諭として28年間勤務経験を持つ。初等教育の教員育成に携わるとともに、保育・幼児教育・小学校教育における子どもの発達や学力、いじめなど多様な課題に取り組んでいる。著書に、『笑って伸ばす子どもの力』(主婦の友社)、『「ホンネ」が響き合う教室』(ミネルヴァ書房)、『幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿を育む保育実践32』(黎明書房)など多数。
文:曽田夕紀子
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