2022.03.03
2022.07.08
2020.11.09
アウトドアでは、大人が無理に子供をアクティブにさせようとするケースが意外と多い。「なかにはアクティブを好まないお子さんもいます。自然の中で過ごすだけで、五感が刺激されているので、“好きな場所で好きな本を読む”という遊びだけでも十分。家で読むよりも集中力が高まりますよ」(長谷部さん)。
子供には静と動の欲求があるが、静が満たされることで身体を動かしたくなり、自然にアクティブになることもあるそうだ。
「火は子供にとって未知の存在。冒険心が掻き立てられ、火を大きくするにはどうしたらいいのか、などたくさん考えるきっかけになる」。
新聞とマッチを使う定番の方法や、切り込みを入れた丸太を立てて豪快に燃やすスウェディッシュ・トーチなど、一口に焚き火といっても、さまざまなやり方がある。親子で事前に相談しておくと良いだろう。
作戦会議をしてメニューを決め、買い出し、調理まで。キャンプ時の料理体験はぜひ家族みんなで。
「塩コショウがばらまかれたり、醤油が垂れても全部地面に落ちるだけ。汚れても大人が気にならない点がアウトドア料理のメリットです。包丁に挑戦するなど、普段はじっくり取り組めないお手伝いにも、とことん付き合ってあげるといいでしょう」。
大人も一緒にカヌー体験はいかが?
自然観察、山登り、カヌー教室など、キャンプ場によってさまざまなアクティビティが開催されている。親子で参加するのがオススメだ。
「子供だけ参加させて大人が自由に過ごすというパターンが多いですが、一緒に体験することが大切。未体験のアクティビティにみんなでチャレンジして、親が真剣になったり、失敗する姿まで見せられればさらに効果的です。大人が同じ目線に立つことで、子供もよりリラックスでき、貴重な体験になるはずです」。
虫好きな子供なら、広葉樹の多いキャンプ場へ。許可があれば、蜜でおびき寄せるバグトラップを仕掛けるのも楽しい。
「捕りたい虫がどこに住んでいるのか、一緒に調べておくといいでしょう。触れない虫もいるかもしれないから手袋を持っていこうとか、考えながら道具を用意する。フィールドでは、ここにはいないからあそこに仕掛けてみようと工夫する。自分で考えて行動する機会が詰まっています」。
輸入木材の製品にあふれている日本では、国産の無垢材に触れる機会がなかなかない。そうした意味でも自然のなかで木肌、樹皮に触るのは貴重な体験だ。
「木の手触りは、触感を刺激するので、ぜひ触ってみましょう。幼児にオススメの遊びは、樹皮の模様集め。クレヨンと紙を用意し、樹皮に紙を重ねてクレヨンをこすると木の模様がでてきます。色々な木の、色々な模様を集めてみましょう」。
宿泊を伴うキャンプがより効果的なのは、早朝や夜の雰囲気を体験できるから。キャンプ場によっては、夜間、完全な闇に包まれる場所も。
「オススメは、日中散歩をした場所へ、夜も行ってみること。景色がまったく違って見えます。ヘッドライトだけで暗闇を散歩すると視界がすごく狭くなり、視覚以外の五感が研ぎ澄まされるようになります。鳥や動物の声が聞こえてドキドキしたり、ただ歩くだけで特別な体験になりますよ」。
海や川、湖など、浅瀬の水辺は、子供たちにとって絶好の遊び場だ。
「生き物を探したり、流されて遊んだり、冒険心をそそられる水辺は、さまざまな刺激に満ちています。非日常の自然に触れながら、遊びの展開を自分たちで考えて、実行していくことができるフィールド。おのずと、非認知能力も育っていくはずです」。安全に注意しながら、思う存分遊ぼう。
写真・文:曽田夕紀子
モデル:関大樹さんファミリー
FQ Kids VOL.03(2020年夏号)より転載
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