
2022.09.30
和田明日香さんが「食育」を大事にする理由って? 子供たちのために大人がすべきこと[後編]
2025.12.12

――最近の印象的だったお子様とのエピソードがあれば教えてください。
うちの息子は超マイペースでのんびり屋。だから片付けの時、私がイライラしてつい「早く早く」と言ってしまうのですが、最近は言い方を変えて、「ゆっくりでもいいけど、ゆっくり急いでね」と伝えるようにしています。
そんな時でも、絶対に手は出さず、息子の横でじっと仁王立ちして待ってます(笑)。この3年間ほどは、片付けをほぼ任せられるようになりました。
――自分が子どもの頃どんな風に育てられたか、それが今の自分にどうつながっているかを教えてください。
私の両親に「ダメ」と言われたことが一度もないんです。自分の存在を丸ごと認めてくれました。小学5年生のときに「開けたい」と言ったピアスの穴も許してくれたし、高校生で金髪にしたいと言ったときも否定せず、むしろ上手にやる方法を一緒に考えてくれました。私が私らしくいられるのは両親のおかげです。
だから、私も息子を「誰かと比べない」「やりたいと言ったことは全部やらせる」という思いで育てています。とはいえしょっちゅう「No」と言ってしまいますけど(笑)。
――出産・子育てを経て、自分の考え方などで変わったなと思う部分があれば教えてください。
私、昔はかなりワガママで、「世界で一番のプリンセス」くらいに思っていました(笑)。でも、子どもの存在というのは、自己犠牲とは違うのですが、自分より息子。息子を守りたい思いが強くなって。
子どもが生まれると、自分ファーストではなく息子ファーストになった自分に何より驚きました。私はもともと強い人間ですが、本当にベタな言葉ですが、「守るべきものがあると人は強くなれる」というのを実感しています。
――子育てとお仕事を両立する中で、大変なこと・楽しいことを教えてください。
一番うれしかったのは、寝る前に “You’re the best woman ever. ”(今まで会った人の中で一番ママが大好き)と英語で言ってくれたことです。わが家の寝る前時間というのは、私たち親子にとって本音を話す時間です。
「あれがほんとは嫌だった」「あれが嬉しかった」とか、その日あったことをふり返りながら、思ったことを正直に話し合います。その大切な時間に言ってくれた言葉だったので、心に刺さりました。
――子育てとお仕事の両立が大変だと感じるとき、どうやって乗り越えているかを教えてください。
全然両立できていないのですが、乗り越える秘訣は“ハードルを下げて諦める”ことです。私、「何かを完璧にしよう」という思いを諦めまくっています。部屋がひっくり返ったように汚くても、「別にいいか」と思える自分でいたい。
そんな中で掃除機をかけられた日があれば、「ああ、自分はなんて偉いんだ、すごい!」と自分を褒めます。そうじゃないと“ダメな自分”ばかり探してしまって落ち込みますから。親になって、「自分の良い部分」に目を向けられるようになりました。
――「peco」として、これからの夢や目標があれば教えてください。
私、夢があるんです。米FOXで2009年に放送されたミュージカルコメディドラマ『glee(グリー)』のキャストか監督に会ってインタビューすること。gleeの意味は「合唱」、そして「自分を解放し歓喜する」という意味。私はこのドラマに辛かった時にものすごく助けられました。
登場するすべての人が多様性に満ちていて、息子がもう少し大きくなったら絶対に観てほしいドラマです。そのためにも英語の勉強を頑張りたいです。
peco
1995年生まれ、大阪府出身。タレント。7歳の息子を持つ1児の母。デザイナー・プロデューサーを務めるファッションブランド「Tostalgic Clothing」を2023年に立ち上げる。原宿のカリスマ読者モデルとして10代を中心に絶大な人気を集め、パートナーだったryuchellとバラエティ番組やTVCMに多数出演。2018年7月に第1子を出産。育児や生活の様子を投稿したSNSが人気。著書は、ファッションや家族、子育て、パートナーだったryuchellさんとの出会いから結婚まで、その後2022年に夫婦関係を解消し新しい家族として同居も子育ても一緒にするという決断をし、その発表に至るまでのリアルな気持ち、葛藤について綴った初のエッセイ『My Life』(祥伝社)。2025年、『第18回ペアレンティングアワード』“ヒト部門”を受賞。
写真:小野正博
文:脇谷美佳子