幼児期の家庭での性教育、まずはコレを覚えて! 全員に関わる「SOGIE(ソジー)」とは

幼児期の家庭での性教育、まずはコレを覚えて! 全員に関わる「SOGIE(ソジー)」とは
家庭で性教育を行なう際にまず覚えておきたいのが「SOGIE(ソジー)」だ。「ソジ-」は「性的指向」「性自認」「性表現」を組み合わせた用語で、全ての人に関わるため「LGBT」よりも広い概念だと言われている。

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われわれ全員が当事者
性は“十人十色”と学ぶ

「SOGIE(ソジー)」とは、「性的指向(Sexual Orientation)」、「性自認(Gender Identity)」、「性表現(Gender Expression)」を包括した言葉。「LGBT」との大きな違いは、全員が当事者であるということだ。

なぜなら「LGBT」はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーと、一部の性的指向や性のポジショニングを名指しして表現する言葉になっているが、「SOGIE」の「性的指向」、「性自認」、「性表現」は、誰にでもあるものだから。

「性的指向」とは、好きになる相手の性別。「性自認」とは、心の性別、自分の性をどう思うか。そして「性表現」とは、言葉づかいや服装、ふるまいなどを自分自身がどのように表現したいかを示す。

「LGBTについて学ぶ」と言うと、「マイノリティの人を理解しよう」「認めてあげよう」と言った方向に話が向かいやすく、ともすれば差別を助長する危険性もあるが、「SOGIE」はみんなの問題。当事者の視点から人それぞれ、十人十色という形で、より平等に性を考える意識につながりやすい。

下記に「SOGIE」を構成する「性的指向」、「性自認」、「性表現」に加え、「生物学的な性」を盛り込んで簡潔に説明しているので、ぜひ覚えて家族で話す機会を持ってみよう。

「SOGIE」に基づく、
性の在り方に関わる4つの要素

生物学的な性

身体の性。生まれた時に医師などが外性器の形を見て決定する、男・女と戸籍に登録される性のこと。生まれた時に身体的に割り当てられた性。


性的指向

自分が好きになる相手の性別。男性が好き、女性が好き、その他が好き、どれも好き、どれも好きじゃない、分からないも含めて、好きになる性別の方向性を表す。


性自認

自分が思う自分の性別。自分自身を男性と思うか女性と思うか、その他の性別、迷っている、決めたくないなども性自認だ。自分の心の中にある性別。


性表現

自分の性別をどのように表現するか。スカートやズボンなどの服装や髪型、ふるまい、一人称など。「性自認」と一緒のこともあれば、異なることもある。

教えてくれた人

中谷 奈央子(にじいろ)さん

思春期保健相談士/性教育講師。小学校、高校の養護教諭を経験し、退職後、フリーランスとして活動。子供から大人までを対象に、講演活動、相談活動を行っている。また、性教育サイト「命育」(meiiku.com)の「お悩みQ&A」監修も担当。2児の母。


監修:中谷奈央子
文:笹間聖子

FQKids VOL.11(2022年夏号)より転載

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