2022.02.28
2020.03.23
2020.03.26
学習指導要領の改訂は2020年度の小学校を皮切りに、2021年度に中学校、2022年度に高校で行われる。社会変化、特に加速する技術革新に対応して子供たちがこれから生きていく上で必要な資質・能力を見直したものだ。
具体的には、何が変わるのだろうか。小学校で学ぶ内容としては、外国語(主に英語)とプログラミングが目玉だ。3、4年生で「外国語活動」が、5、6年生で教科としての「外国語」が導入される。プログラミングは教科化という形ではなく、既存のさまざまな教科の中でプログラミング的思考を養うことになる。
学び方の面では「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」が重視される。従来の、先生が一方的に知識を伝える形ではなく、子供たちが自ら課題を見つけ、話し合いながら解決策を練り、それを表現する力をつけていくような学びだ。
こうした学習指導要領の改訂について、保護者はどの程度理解しているだろう。博報堂こそだて家族研究所が、インターネット広告・メディア運営事業の株式会社インタースペースと協働で、母親446人を対象に調査を行った。
まず「新しい学習指導要領がスタートすることを知っているか」尋ねると、「知っている」と回答したのは半数、小学生の親でも6割にとどまった。また、その内容まで把握しているのは全体の3割だ。
調査では「学習指導要領の改訂やこれからの社会変化を意識して習わせている/習わせたい習いごと」も質問している。その結果、トップは「英会話」「プログラミング」だが、3位は「特にない」で23%に上った。学校教育の変化に、気持ちが追い付かない親の様子がうかがえる。
また、「子供にどのような能力やスキルを身につけさせたいか」を複数選択式で聞くと、1位「集中力(69.6%)」、2位「運動能力(66.3%)」、3位「協調性(65.6%)」、4位「読解力(62.1%)」という結果に。ところが、最も大切だと思う能力やスキルを1つだけ選択してもらうと、「問題解決力(22.5%)」が最も高く、運動能力や読解力は10%未満となった。このややチグハグな結果からも、戸惑いが感じられる。
変化の激しい現代社会においては、生涯にわたって学ぶことが求められる。ライフステージにおける「教育期→勤労期→引退」という図式は、無効になりつつあるのだ(そうしたことを主張する『ライフ・シフト』の著者の1人、リンダ・グラットン氏を、日本政府は「人づくり革命」の具体策を検討する有識者会議「人生100年時代構想会議」に有識者として招いている)。
経団連も新卒一括採用を見直す構えを取っている。「新卒一括採用に加え、(専門スキルを持つ人材や留学生などを通年採用する)ジョブ型雇用を念頭に置いた採用も含め、複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべき」としているのだ。
これからの時代に、「学校で身につけるべきもの」は何なのか。わが子のために、ぜひ考えておきたい。
文:平井達也
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