
2020.12.15
「パパママの大切なものって何?」子供に聞かれたら思い出したい“星の王子さま”の話

2025.06.18
自分が子どもの頃はもっと外で遊んでいた気がする……と思うことはないだろうか? ゲームや動画などインドアな遊びが好きであまり外で遊んでいない。そもそも近所に公園やアクティブに遊べる施設が少ないなど、思い当たるふしはさまざまあるかもしれない。
しかし、子どもの運動習慣は、実は親の行動が大きく影響しているようだ。参考になる調査・分析結果を紹介しよう。
調査・研究を通して、スポーツに関する社会課題や政策課題の解決策を提示する研究機関である「笹川スポーツ財団」は、2023年に実施した「全国の幼児(3~6歳)を対象とした運動実施状況に関する調査研究」のデータをもとに、幼児の運動時間と近隣環境との関連について分析を行った。
調査結果から、幼児の園外での運動時間は、「親子で一緒に身体を動かす頻度」「親の運動習慣」「親同士のつながり」が関係していることがわかった。
最も強く関連していたのは「親子で一緒に身体を動かす頻度」だ。「ほとんど毎日身体を動かす」家庭は、「親子でまったく身体を動かさない」と回答した家庭と比べて、幼児の運動時間が週452分(約7.5時間)も多かった。
また、両親ともに週1回以上運動している家庭では、そうでない家庭に比べて幼児の運動時間が週72分(約1.2時間)長いことが明らかに。
さらに、子どもを通じて知り合った気軽に話ができる友人(ママ友・パパ友)がいない家庭と比べて、いる家庭の幼児の運動時間は約9分長く、5人いる場合は約45分/週の運動時間の差となって表れた。
一方で、幼児の園外での運動時間と近隣環境(公園・道路・スポーツ施設数、緑地、治安状況など)との間に有意な関連性は確認されず、必ずしも近隣環境は幼児の運動時間を規定する決定要因ではない可能性があることがわかった。
子どもの運動習慣は、設備等の環境ではなく、親の運動に対する価値観が大きく影響するようだ。親が運動に対して前向きでフットワークが軽いほど、子どもの運動習慣もつきやすくなるということがわかる。
調査結果からは、子どもの運動習慣には、「親子で一緒に身体を動かす頻度」「親の運動習慣」「親同士のつながり」が大きく関係していることがわかった。当たり前の事のようにも聞こえるが、仕事に家事・育児にと忙しく、自分自身は全然運動できていないというパパ・ママは少なくないだろう。
子どもの運動不足が気になるパパ・ママは、まずは“子どもと一緒に”楽しく身体を動かす遊びから始めてみよう。
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〈研究概要〉
子どもの運動・健康の視点に立ったアクティブなまちづくりに関する研究
・研究期間:2024年7月~2025年3月
・データ:笹川スポーツ財団が2023年に実施した「全国の幼児(3~6歳)を対象とした運動実施状況に関する調査研究」
・対象者・除外条件:有効回答者3,144人から、居住1年未満、運動支障、住所情報不備を除いた2,747人を抽出
・分析に用いたデータの概要:幼児の基本属性、就園状況、生活習慣(外遊び、運動習慣、スクリーンタイム)、習いごとの有無 家庭の属性(郵便番号、親の学歴・所得・労働時間・運動習慣、親子の運動頻度、ママ友・パパ友の有無)
・近隣環境要因の分析方法:地理情報システム(GIS)を活用し、郵便番号単位で地域情報を収集 各地域の人口密度、公園・スポーツ施設の密度、袋小路・交差点の密度、公共交通機関の密度、緑被率、軽犯罪件数などを算出。緑被率には正規化植生指標(NDVI)指標を用いた。
文:FQ Kids編集部